玉子焼き考
兄の幼稚園のお弁当を用意している時だったと思うが、母が玉子焼きを作っているのを初めて見た時はおまじないでもしているのかと思った。油を染み込ませたティッシュをお箸でつまんで油を引き、卵を何回も何回も前後に移動させる。そして出来上がった物が玉子焼きだと知って更に驚いた。あんなに手間暇かけてこれ⁇と言う。私は玉子焼きが好物でも何でもないが、玉子焼きにしらすおろしをのせた物は、温泉旅館の朝食的ノスタルジーを感じる事が出来るので好きだ。玉子焼き用の四角いフライパンを持っていなかったので丸いので作っていたらやたら細長い円柱状の少々アヴァンギャルドな玉子焼きが出来るので気分が盛り下がる。そこで新しく四角い玉子焼き用のフライパンを購入した。フライパン表面の加工技術の進歩のお陰で私の様な素人がインコを肩に乗せたまま玉子焼きを作っても実に上手に出来る。母の苦労など最早過去の時代のものだ。技術の進歩と言うものは凄いなと改めて思った。