熱傷
- futabaclinic
- 2019年8月16日
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熱傷の事故のニュースを目にしたり、あるものを見る度に学生の時救急医療の講義で見た一枚のスライドと先生の言葉を必ず思い出す。灯油を頭からかぶって焼身自殺を図った若年女性の受傷後から治癒までの過程だ。急性期は体液の漏出と感染との戦い、その後失った皮膚の移植、拘縮を繰り返すので可成り長期に何度も繰り返し行う。年余に渡る治療の後の治った姿が最後のスライドだった。ムンクの叫びと形容するのすら美し過ぎる表現だろう。教室に居る誰もがこの人は変わり果てた自分の姿を見て再度自殺を図るのではないかと思ったと思う。しかしそんな我々の気持ちを打ち消すように先生が仰った。焼身自殺を図って助かった人はその治療の苦しみから二度と自殺は図らないと。多くの症例を経験された先生が仰るのだから真実に違いない。
顔面に火傷を負った春琴の為に自ら針を刺して視力を失った佐助は正しい選択をしたのであろう。
あるものが何かは恐らく明言しない方が好ましいと思われるので伏せておく。
熱傷は恐ろしい。
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